私の見ている世界

愛犬のいる暮らし、メダカのいる暮らし、時々私の心の声を漏らす場所。

愛犬の一生

私の歴代ペットは、猫4匹と犬3匹。ペットショップで買った子はいません。友人、知人の元からやってきた子、迷子の子、殺処分間際の子、捨てられた子と私のもとへ来た背景は様々。

その中でも最愛のペット、シェリーちゃんは半年前、15歳で虹の橋を渡りました。

きれいなクリーム色をしたシェリーちゃん、名前の由来はシェリー酒から。知人の家から生後2週間ほどで我が家にやってきた、まだ手のひらに収まるほど小さなシェリーちゃんは、先にいたレオン君というオス猫を慕っていました。

自分が犬ということを忘れてしまったのか、レオン君にくっついて回り、いつの間にか高さ30センチのソファにジャンプすることを覚え、いつの間にか階段を駆け上がり、いつの間にかキャットタワーに置かれたレオン君のご飯を横取りするようになりました。

寛いでいるときにゴロゴロと喉を鳴らすレオン君を真似て、シェリーちゃんも喉を鳴らそうとするけど、犬だから上手くできない。猫のようにはできないけど、頑張って真似た甲斐あって、ホントに犬?と思う程喉を鳴らすのが上手になり、レオン君に寄り添うときは必ず喉を鳴らすシェリーちゃん。

優しく大人しいレオン君は、シェリーちゃんにされるがままだけど、シェリーちゃんもやりたい放題というわけでもなくて、甘える分だけよく毛づくろいをしていました。

時にはレオン君の尻尾がおもちゃ替わりとなり、時にはレオン君のお腹がベッドになり、一緒にご飯を食べて、一緒に散歩をして、一緒にドライブをして、一緒に寝て。いつもどんな時も、シェリーちゃんの隣にはレオン君、レオン君の隣にはシェリーちゃんが。

レオン君とシェリーちゃん

親子のような兄妹のような親友のような、そんなシェリーちゃんとレオン君。末期の腎不全で立つことすらしんどいレオン君がベッドに横たわれば、シェリーちゃんはレオン君の顔を舐め、丸まった身体の真ん中に入り込んで眠る。レオン君はゴロゴロと喉を鳴らしながらシェリーちゃんを抱えるように眠る。

出会ってから5年、そうやってレオン君が旅立つギリギリまで寄り添っていたシェリーちゃん。レオン君は静かに旅立っていきましたが、シェリーちゃんには「死」の概念がありません。もういないレオン君を探します。ドッグフードよりもキャットフードが好きだったシェリーちゃんが、キャットフードに口をつけずドッグフードだけを食べる。その姿は私たち家族にとって「レオン君に食べさせたい」というシェリーちゃんの気持ちの表れのように映りました。

食欲が落ちて少し痩せたシェリーちゃんは、レオン君亡きあと、いつの間にかキャットタワーに上るのを止めました。私はタワーの処分を決め、レオン君が愛用していたブランケットを一枚だけ残し、レオン君のものはすべて撤収させました。

レオン君の死から1年が経過したころ、シェリーちゃんを抱っこすると手のひらに微かに当たる程度の小さな腫瘍がお腹にあることに気づきすぐに検査。その結果、良性のものだから放置しても問題ないと言われてホッとしました。

レオンがいないことに少し慣れた頃、訳あって生後10か月の同じロングコートチワワの女の子を迎え入れることに。白い身体のところどころに黒い斑点がまるで牛のようだからと、牛のモウモウから「ももちゃん」と命名シェリーちゃんとももちゃんは、着かず離れずの関係。レオン君とシェリーちゃんの関係性とは全く異なる程よい距離感がありました。6歳下のももちゃんがいけないことをするとシェリーちゃんが叱る?ももちゃんが甘えたい時はシェリーちゃんに寄り添う?

レオン君にくっついていて回った甘えん坊のシェリーちゃんとは全然違う。

1年、2年、3年とシェリーちゃんとももちゃんとの生活は静かに過ぎていきました。シェリーちゃんは先輩ワンコとして、ももちゃんを教育しつつも、甘えたくてくっついてくるももちゃんを拒むことはありません。シェリーちゃんは階段もソファも軽快に上るけれど、ももちゃんは上れないから、相手をしたく無い時は、シェリーちゃんはソファの上か2階に上がります。

シェリーちゃんとももちゃん

そんなある日、シェリーちゃんのお腹の腫瘍が少し大きくなったように思い、かかりつけの動物病院へ連れて行きました。

「大きくなる前に切除した方が良いけど、10歳を越えた子は家では扱えない」

そういわれて、辿り着いたどんな子も診てくれるという最後の砦のような動物病院です。家から車で12分、悪くない距離。切除手術を決めてから、MRI検査のための入院を経て、僅かヶ月で腫瘍はテニスボール大まで成長、益々難しい手術に。

それでも、術後の経過は順調で、3カ月に一度の定期検査でも転移はありません。

あれから4年、シェリーちゃん14歳になった秋、定期検査で左肺に大きな腫瘍が見つかりました。全部取っても右の肺が残る、今のところ他への転移はありません。

その年の年末年始にかけてシェリーちゃんの大手術。術後の経過はあまり良好とは言えず、手術から2週間で腹膜に転移が。これ以上体にメスを入れても完治どころか次々転移の可能性の方が高い、余命は3週間。

私は、ももちゃんと家族と共に自宅で最期を看取ると決めました。

シェリーちゃんは余命の3倍も生きて、3月9日午前1時に家族みんなとももちゃんに看取られ、私の腕の中で虹の橋へと旅立ちました。2分前、最後の力を振り絞って、自分の足で歩き、水をひと口飲み、トイレをしました。そしてゆっくりと私の膝に乗り、呼吸が乱れることもなく静かで穏やかな最期。とてもきれいな顔でした。

最期のシェリーちゃん

半年経った今でもシェリーちゃんのいない生活は寂しくて苦しい。ペットを失う悲しみはどれだけ月日が経っても癒えることはありません。シェリーちゃんは私たちの家族になって幸せだっただろうかと、何度も自問自答しますが、その答えはありません。

それでも目の前にいるももちゃんは生きています。

一人ぼっちになったももちゃん

これまで多くの犬猫と暮らしてきた私は、生体販売というビジネスが嫌いです。生き物は機械じゃないし、おもちゃじゃない。この子たちには心があるし温もりもある。

犬猫を家族として迎え入れるとき、本当にその子の最期まで責任を持てるのかと冷静になってほしいと心から思います。

 

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