私の見ている世界

愛犬のいる暮らし、メダカのいる暮らし、時々私の心の声を漏らす場所。

愛犬と風鈴とご近所さん

我が家の南側に3階建ての集合住宅が2022年年末に完成しました。フェンスを挟んで3メートルちょっとくらいの距離にあります。完成直後から続々入居者がお引越しされて、全12室がものの見事に埋まっています。

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実はここ、近くに住むおばあちゃんの土地で、建物の所有者は他県に住むご長男。南北に広がる土地半分にに、西向きで建てられた集合住宅です。南側に同じくらいの広さの駐車場、北側に集合住宅という土地活用。

数ヶ月前、この建築を請け負ったメーカーさんから説明を受け、南向きに作らないのであれば駐車場と建物を逆にしてもらえないかと幾度となくお願い遠しました。しかし、それが覆ることはありません。

一日中日差しの入らない部屋ができ、門扉から玄関までの街路灯は充分な光を吸収できず役割を果たさず、屋根に付いた太陽光発電は半減。

それでも、様々な支障を全て飲み込んで、唯一これだけはということだけお願いをしました。

「うちには犬がいます。南側に大きな窓があり鳴き声に対する苦情が最も心配です」

そう申し出たところ、建物の構造上騒音の問題はないという回答。

予定通り工事が始まり、我が家の敷地の南側に作っていた高いブロック塀が撤去されました。このブロック塀は我が家の敷地にこちらで建てたもの。何でも、塀を壊して見通しの良いフェンスにつけ変えると言います。

 

そんな訳で、連日工事の揺れ、人の出入りに敏感に反応したももちゃんが吠え始めました。これは困ったと、窓の下半分に目隠しシートを貼りましたが、ももちゃんは人の気配や物音に敏感。仕方なく遮光カーテンを閉めて飼育をスタートさせました。日中なのに暗い室内、工事中だけの辛抱と無理矢理みんなで納得して。

工事が無事終わり、南側の遮光カーテンを開け、毎日僅かな陽の光を取り込むことができるようになってホッとした矢先の出来事が…。

 

今日の本題はここから。

2023年新年早々郵便ポストに一通の手紙が入っていました。

「窓を閉めていても風鈴の音がうるさい、犬の鳴き声で日常に支障をきす」という匿名の、とても丁寧な手紙です。でも、そこまで延々吠え続けていることなんて、私たち家族も知りません。留守中でしょうか。風鈴にしても、玄関先に下げていますが、私たち家族は普通に寝ています。風鈴のんびり音って騒音なんだということを知らなかったのはごめんなさいです。

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風鈴を外したものの、ももちゃんが吠えるには理由がある…。匿名でどこの誰かもわからないこの手紙は、一見丁寧で謙虚な物言いですが、一方的。まあ、実際一方的とも書かれていますが。こうなると「ちゃんと聞いてくださいよ」と言われているように感じ、高圧的でとても嫌な印象を受けてしまう。

私は、メーカーさんに電話を掛け手紙のことを伝えてみました。メーカーさんは「当初から本当に迷惑をかけてしまっています」と謝りましたが、私は謝ってほしいのではないんです。そもそも、その集合住宅の住人かどうかもわからないんですから。

何年も周辺から指摘がないことだったので、集合住宅へ越してきた方からの可能性が高いと考え、「近隣へのご意見を管理会社を通してください」という周知をお願いしたかったんですね。

ただ、平和に暮らしていたその暮らしを取り戻したい。既に建ってしまっているから、取り戻せませんけど。

窓の下45センチに貼った目隠しシートでは道路は隠せても、お隣は隠れないんですよね。上見上げたら丸見えなんで。

この先ずっと遮光カーテンや雨戸締切の南側という暮らしを想像するとゾッとします。ただでさえ直射日光が入らないのに、陽の光まで遮らなければならないというのはちょっと…。

ももちゃんが吠えないように矯正すれば良いと思う人もいるかも知れませんが、それって本当に正解なんでしょうか。

 

シェリーちゃんは14歳、ももちゃんは8歳。

5年ほど前に、家の目の前が小学生の通学班集合場所になった時、あまりの賑やかさに驚いたシェリーちゃんが吠え「犬が吠えるのが怖い」と申し出があり、むしろ集合場所を変えてほしいとお願いしたことがありました。うちの前は広くないし、小学生いないので。集合場所が斜向かいに変わり、シェリーちゃんも吠えなくなりました。

こんなふうに、相手が判れば話し合える。一方的というのは、かなりしんどいです。相手はこちらのことを知っているのに、こちらは相手のことを知らない。

 

隣の集合住宅が完成して以来、14畳のリビングにあるテレビの音量も14まで下げ、娘のピアノもヘッドホンで練習、朝の水撒きを止め、窓を閉めたまんま掃除機を掛ける毎日。風鈴は油断しましたが、割と生活音に注意をしてきました。

大袈裟かも知れませんが、知らない人からもしかしたら恨みを買っていると考えると、恐怖心が込み上げてきます。

愛犬が吠えることは、そんなにダメなことなのでしょうか。

 

ちなみに、我が家の北側のお隣さん、ゴールデンレトリーバーを屋外飼育しています。お庭で放し飼い。この子もよく吠えます。シェリーちゃんとももちゃんの甲高い声ではなくて、低音ボイスで。個人差ですけど、私は煩いと思うことないんですね。

北西斜向かいに住む小学生の女の子がピアノの練習を毎日遅くまでしています。いつも同じところで間違えていて、ほっこりした気持ちで上手になることを願っています。

朝早くから道路を挟んだ向かいのおじいちゃんが、毎日少しずつ植木のお手入れをしてパチパチと高音のハサミの音が響きますが、おじいちゃん今日も元気だなって思います。

10時を過ぎると近所の保育園からいっぱいお散歩のちびっ子が賑やかに歩き、大きな声で先生が呼びかけています。

街ってそういうものだと思っていました。色んな音がして、色んな声がして、色んな匂いがして、時々臭かったり。

難しいですね、ご近所って。